「ナイト列車 ドリーム号」~愛犬ペロとの記憶(3/7)

文・泉あおり  

「おかしいぞ、この切符。電車の駅名もないし、値段も区間も書いていないな」
その謎の切符には、「9月4日」という今日の日付けだけが記されていた。
草太はベッドであぐらをかくと、けげんな顔でもういちど切符をながめた。

「あ、裏になんか書いてある! えっと、『乗客のみなさまへ、この切符を枕の下に入れて寝てください』・・・んー、なんだろう?」
草太は少しだけ気味が悪くなった。
「やっぱり、捨てたほうがいいよね・・・」
草太は切符をポケットにしまうと、またベッドのうえであお向けになって寝転んだ。

ドクドクと、心臓が音を立てている。
草太は首をふって、天井に貼ってある星のシールを数えていった。
「・・・12、13、14、あー、気になってしかたないよ。この切符、誰のだろう?」
ふたたびポケットに手を突っこむと、草太は切符を取ってまじまじと見つめた。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員