「ナイト列車 ドリーム号」~愛犬ペロとの記憶(7/7)

文・泉あおり  

「草太、今日は川で石切り大会だぞ。三組の野郎たちに、ぜってー勝ってやるんだ」
ランドセルをかつぐと、後ろからタケシとケンが草太の肩をつかんできた。
「はぁ。でもズルはナシだよ、タケシくん」
タケシは毎日のように草太をつれて遊びにいこうとする。
窓に石を投げたこと、黒板にイタズラ書きをしたこと、そのすべてを謝れと、タケシとケンカをしたのが原因だった。

「草太って怒ると怖いよな。ボクに謝れって、タケシの顔に泥団子を投げるんだもん」
ケンは通学路の川辺を歩きながら、草太とタケシのケンカを思い出すようにつぶやいた。
「もういいって、その話は。ちゃんとタケシも、先生に謝ってくれたんだしね」
と、川にかかった大橋の下にくると、前を歩くタケシが川をのぞきこんだ。

「草太、ケン、あれを見ろよ!」
タケシの指を目で追うと、川幅10メートルの中央で、激しく水しぶきがあがっていた。
河川敷にいる三組の男子たちが、なにやら大声で叫んでいる。
「三組の男子が、おぼれてやがるんだ!」
タケシは血相を変え、草太たちを見やった。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員