「ナイト列車 ドリーム号」~愛犬ペロとの記憶(1/7)

文・泉あおり  

ガッシャンと、教室の窓にヒビが入った。
「なんの音だっ!」
伊藤先生が教室に飛びこんでくるやいなや、ツヨシとケンは席にあわてて着席した。

「だれだっ、窓に石を投げたのはっ!」
「えっと・・・草太です」
「草太がふざけて、窓に石を投げたんですっ」
ツヨシとケンの声に、白川草太はふと教科書から視線をあげた。
伊藤先生のギョロ目と目があって、草太はドキッとした。

「白川、窓に石を投げたのか?」
「えっと・・・」
思わず口ごもった草太は、窓際の席から鋭い視線を感じた。ゴリラのような図体で、ツヨシが椅子の上でふんぞり返っている。
(またツヨシたちのしわざか)
けれど草太はなにも言え返せなかった。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員