『ミルクが、にゅういんしたって⁈』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)

ミルク入院書影小学校教員として勤務した経験をもとに、数々の作品を上梓されている野村一秋先生。今回、日本児童文芸家協会の第一回児童文芸幼年文学賞を受賞されました。受賞作『ミルクが、にゅういんしたって?!』にまつわるお話をお聞きしました。

◆きっかけは「女房のひと言」

―― 第一回児童文芸幼年文学賞のご受賞、誠におめでとうございます! 2016年から新設の童話賞ですね。まずご受賞の感想をお聞かせください。

ありがとうございます。
子どものころから賞には縁がなくて、自分の人生には無縁のものと思っていたので、これまで賞を意識したことはまったくありませんでした。今回の受賞には、自分でもほんとにびっくりです。
「文学賞」というくらいなので、自分の作品が文学として認めていただけたんだと思います。まず、そのことが嬉しかったですね。
あと、みなさんから「第一回」ということをよく言われるのですが、これは運がよかったとしか言えませんよね。これまでずっと使わずに溜めてきた運を使い果たしたという感じでしょうか(笑)

――『ミルクが、にゅういんしたって?!』は、とても心温まるストーリーでした。本書を書くきっかけはどういうものだったのでしょうか?

それは、女房のひと言です。
女房は教員(今年、2016年の3月までは小学校に、4月からは中学校に勤務)なんですが、晩ごはんのときに、学校での出来事をよく話すんですね。
で、このときも、「きょう、若い先生が、クラスで飼っていたハムスターが死んじゃったのに、入院したってウソついちゃったんだよね。だいじょうぶかなあ」と言ったのを聞いて、「それ、いただきっ!」となったわけで。このときは先生がウソをついたことに関心をもったのではなく、ウソの中身がおもしろいと思ったんですね。
ヒントにしたのはこのひと言だけです。それ以上聞いてしまうと話が膨らまなくなってしまうので。
お話のつくり方はひとそれぞれなので、わたしの場合はということになりますが、1だけ聞いて、残りの9は自分でつくるようにしています。(つづく)

◆購入サイトはこちらから →『ミルクが、にゅういんしたって?!


野村一秋(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。
主な作品に、『天小森教授、宿題ひきうけます』『しょうぶだ しょうぶ!』『のらカメさんた』などがある。

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