おれと天使(2/6)

文・泉あおり  

ゴシゴシゴシ。
「お、おばけなのか?」
なんど目をこすって見ても、羽根のはえた子どもが、本体のまわ
りを飛びまわっているのだ。

「うわっ、やめろ!」
空飛ぶ子どもは、しきりに本体の首すじをさわっていた。
「こらてめえ、おれのホースになにしやがる気だっ」
身のきけんをかんじたヨースケは、ダッシュで自分の席にもどると、空飛ぶ子どもをりょう手でキャッチした。

「ひぃ、ぽ、ポポポっ」
「ポじゃねえよ、このやろう」
「く、くるしいっポ」
「今、おれにとどめをさそうとしただろっ。このホースが大事だってことは、なんとなく、こっちもおみとおしなんだよ!」
「ち、ちがうっポ。ぼくは天使、神さまのつかいっポ!」
「天使だと? うそつきやがって、このホースどろぼうめ」
「は、はなしてっポ。これはホースじゃないっポ。これは大切な大切なコードっポ」
「コード?」
ヨースケはキョトンとして、はがいじめにした子どもを、そっと自分の顔にむけた。
「これはライフコード。切れちゃったら死んでしまう、大切なコードっポ。神さまが、ヨースケのようすを見てこいって。だからポポは、こうして天国からやってきたっポ」

よく見ると、もちあげた子どもは、オムツをはいて目がくりくりとしていた。
「ま、マジで天使なのか?」
「ほんとうっポ」
「なんてこった。天才のつぎは、神とごたいめんとは。おれも成長したもんだ。で、神がおれになんのようだよ?」
しかたなく、ヨースケは天使ポポのはなしを聞くことにした。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員