「ヨースケが、やりたいほうだいだって。テストはカンニングばかりしてるって。授業中はマンガばかり読んでるって。だからとうとう神さまが、おこっちゃったっポ」
「よけいなおわせだよ。そうだ、神に言っとけ。このホースをえん長コードにしろって」
「な、そんなの、できるわけないっポ」
「おかげでこっちは、教室から出れねえんだよ。やっととうめい人間になれたってのに」
「そもそも、ゆうたいりだつなんて、人間はしちゃいけないことになってるっポ」
「神のくせに、頭がかてえな。とにかく、おれは授業中にサッカーがしてえんだ」
「そんなこと言ってると、ばちがあたるっポ」
「うるせえな、ごちゃごちゃと」
そう言って、ヨースケは天使ポポを右手でもちあげると、ドッジボールをするようにかまえた。
「ひ、ひぃ。も、もう体を出ちゃ、ダメっポ!」
「おれの願い、ちゃんと神に伝えとけ、おらあっ」
びゅーーん!
「ぽっ、ポーーー」
なんと、ヨースケはえん長コードほしさに、神のつかいである天使ポポを、教室のまどからほうりなげてしまった。
「ぜったいに、ばちがっ、あたるっポーー」
ヨースケにブンなげられた天使ポポは、ものすごいスピードで、空のかなたへと消えていってしまったのだ。