おれと天使(5/6)

文・泉あおり  

ミィーミィー
「ネコの声っポ!」
ゆっくりと、そのなき声に近づいていくと、どこかで見かけた黒ネコが、雲の上で首をのばしてすわっていた。
ヨースケは、ネコの首にぶらさがったスズに気がついた。
「あ! さくらんぼのスズだ。てことは、めぐみちゃんの?」
「あたしは、ミーちゃん。めぐちゃんのお友だちだミャア」
「やっぱり! いや、まてよ。どうしておれは、ネコとしゃべってるんだ?」
なにかがおかしいと、ヨースケは天使ポポをふりかえった。

「よくないニュースっポ。ネコと会話ができるってことは・・・もうヨースケが、地獄にちかづいてるってことだっポ」
「あ、あわわっ・・・な、なんとかしねえと、死んでしまうぞ」
きょうふにおびえるヨースケに、
「ここは天国と地獄の入り口よ、だからまだだいじょうぶだミャア」
とミーちゃんがはげましてくれた。
「そ、そうか。はやく、めぐみちゃんを元気にしてあげねえと」
「あたしも、めぐちゃんが心配だミャア」
雲の下を見つめるミーちゃんは、とっても悲しそうな目をしていた。
「めぐちゃん、ずっと学校を休んでる。めぐちゃん、ずっとベッドで泣いている。もうすぐ天国にいかなきゃいけないのに、めぐちゃんが心配でしかたがないミャア」

ヨースケは、ベッドの上で泣くめぐみちゃんを思いだした。
ズキズキと、またむねがいたくなっていった。
「くそ、ミーちゃんは天国にいけるってのに」
なにか自分にできることはないかと、ひっしでかんがえたヨースケだったが、めぐみちゃんを元気にするアイデアは、なにひとつうかんではこなかった。

キュイィィン
そのとき、空の地獄のとびらの横に、もうひとつの白いあなが出現した。
「ミーちゃんの体が、光りだしたっポ」
だんだんと、黒ネコのまわりがキラキラとかがやいて、ミーちゃんが空へとまいあがっていくのだ。
「ヨースケ、天国のとびらがひらいたっポ。もう、時間がないっポ」
「わかってる。くそ、なにか良いアイデアは、ないのかっ」

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員