おれと天使(6/6)

文・泉あおり  

「ぎゃああっ!」
びゅううううううううっ
ものすごいいきおいで、ふたりが地面に落っこちていく。

ちりんちりんっ。
地面がドンドン近づいてくるなか、ヨースケはスズの音を聞いてハッとした。
「イチかバチか、もうかけるしかねえ。ポポ、きどうをなんとか修正して、もういちどめぐみちゃんのマンションにはりつくんだっ」
「ええ! そんなの、ムリっポ!」
「つべこべ言わず、とにかくやってみろ」
びゅううっ、パタパタっ、びゅうう、パタパタッ
天使ポポは、めぐみちゃんのマンションをめがけて、小さな羽をしつこくばたつかせた。
体はなんどもふらふらと、風にあおられた紙ひこう機のように飛んでいった。

パタパタパタッ
ゴっチンッ!
「痛ってえ・・・で、でもやったぜ! めぐみちゃんのマンションに、ぶじにとうちゃくしたぞ!」
「はあー、ヨースケは、命しらずもいいとこだっポ」
ガシッ、ガシッ、ガシッ。
ヨースケはまたクモ男のように、マンションのかべにはりついて、めぐみちゃんの部屋の窓へといどうしていった。

「よし、見つけたぜ。ポポ、窓をあけるんだ」
「わ、わかったっポ」
ガラガラガラッ。
めぐみちゃんは、もう泣きつかれてしまったのか、ベッドに入ってねむっていた。
パタパタパタ
「なんどもおしのびしちゃって、ごめんね。どうかこれで、めぐみちゃんが元気になりますように。ちゃんと明日から、学校にやってきますように」
ちりんちりんっ
ヨースケは願いをこめて、ミーちゃんのスズを、めぐみちゃんの枕もとへとそっと置いた。

ゴロゴロゴロッ!
そのときとつぜん、あたりにカミナリが鳴りひびいた。
「ヨースケ、よくやったっ」
「この声は、神さまっポ!」
「自分かってで、やりたいほうだいのヨースケが、やっとまともな人間になりおったか」
「こら神っ。おまえのせいで、おれは人生さいあくの日をむかえたんだぞ! さっさとおれを本体にもどせっ」
「な、いつまでたっても口のききかたを・・・ま、まあよい。これからは、みんなの役にたって、生きていくんだぞ!」
ゴロゴロゴロッ、ピカッ!
神の声のあと、まぶしい光がヨースケをてらした。
「うわ、まぶしい・・・あっ」
しゅるるっ、ドボンッ!

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。