ぜんぜん不思議じゃなかった3日間(14/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

中空を飾る半月が見守る中を、お曳舟が帰ってくる。
沖で、お精霊舟の綱を解き、戻る時は、一艘だ。
策作じいさんが戻ってきたら、焼きそばを作って、ふるまおう。
しのさんを見送って、賢作さんも見送って、あたしには見えなかったご先祖さまたちも、たぶん、見送って、さみしい気持ちでいるにちがいないから。
アホなこと、いっぱい言って、
「アホか、キツツキは」
ってがんがん言わそう。
そして、ふたりで、笑いまくろう。

お曳舟が浜に着き、人々が降りてくる。
待っていた人たちが、出迎える。
あたしも、策作じいさんの姿を捜す。
「おかえりなさい」を言うために。

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朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。