もらった子ネコ、返します(2/10)

文・中村文人  

ある日、アスカちゃんは児童館を出て、とぼとぼ歩いていた。
ふと、でんしんばしらを見ると、手書きのポスターがはってあった。

【子ネコあげます。2ひきの兄弟、かわいいです】
しゃしんもはってある。
「うわー、茶トラだ! かわいい! いいなあ」
アスカちゃんは、近よってよく見た。
「ほしいなー、でもなあ・・・」

学校に行っている間、1ぴきじゃかわいそうだぞ――パパのことばがあたまにうかんだ。
「あたしだって、いつもひとりなんだから」
アスカちゃんはつぶやきながら、ポスターを見上げた。

「2ひきの兄弟・・・、そうだ! 兄弟でかってあげたら、さびしくない! そうなんだ」
アスカちゃんは、とびあがるほどうれしくなった。
せのびをして、ポスターをはがした。きれいにたたむと、家にむかって走りだした。
(パパはきっとさんせいしてくれる!)
アスカちゃんは、わくわくしながらなんどもポスターをながめた。

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