もらった子ネコ、返します(3/10)

文・中村文人  

夜8時。パパはまだ帰ってこない。
「パパのうそつき」
今日、話せないと、あの子ネコはだれかにもらわれてしまうかもしれない。
アスカちゃんはしんぱいになってきた。

テレビで9時のドラマがはじまろうとしたとき、ドアがあく音がした。
「アスカ、おそくなって、ごめん、ごめん」
そういってパパは、デパートのつつみをさしだした。
「アスカのすきなものだよ」
「あー、おすしだー」
アスカちゃんは、ちょっときげんを直して、つつみがみをあけた。

「アスカ、これもお食べ」
パパは、エビのにぎりをおさらにのせてくれた。
「パパ、おねがいがあるの」
「なんだい?」
「これ」
アスカちゃんは、ポスターをパパにわたした。

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