もらった子ネコ、返します(9/10)

文・中村文人  

その時、また電話がなった。
びょういんの先生からだ。
「何かあったのですか。おとうさんが帰ったあと、アスカちゃんはごはんも食べなくなり、クスリものもうとしないのですが」
「わかりました。今からそちらに行きます」
パパは車にとびのった。

「ヤマトとギンガをかえすだなんて、なんてひどいことを言ってしまったんだ」
パパはあふれるなみだをふこうともせず、ハンドルをにぎった。
「アスカにとって、子ネコたちは兄弟なんだ。自分のつごうばかりで、アスカの気持ちを何も考えていなかった・・・」

〈みんなで力を合わせてびょうきとたたかいましょう〉
山村さんのことばが、パパの耳にしずかにひびいていた。

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