アカネと銀河の遊園地(13/15)

文・泉 あおり  

13 宇宙船がやってきた!

「カレンちゃんだ!」
アカネが空を見あげました。
パパとママがこしをおろしたベンチの上空に、アカネが宇宙で見た、風船型の大きな宇宙船がやってきたのです。
宇宙船はガラスばりになっていて、アカネはそのなかにいる人たちのすがたをかくにんすることができました。

「あっ、マエストロ!」
アカネはこうふんして声をあげました。
宇宙船のなかは、円形げき場のようなぶたいになっていたのです。
そのなかで、黒い服を着て軽かいに飛びはねる、カレンちゃんのすがたがありました。
カレンちゃんはぶたいのまんなかで、ピッコロやクラリネット、そしてドラムやトランペットなどに、タクトをふって指揮をとっていました。
カレンちゃんをかこむようにして、演そう家の人たちが、笑顔で楽器を演そうしています。

「わあ、『ディスコキッド』だ!」
アカネはいつか、カレンちゃんから聞かせてもらった、「ディスコキッド」という曲を思いだしました。
それはカレンちゃんの大好きな曲で、アカネ自身も、その軽かいでアップテンポなリズムに、とても気分をよくしていたのです。
「まあ、なんだか楽しくなってきたわ」
ママがベンチから立ちあがりました。
「なんだか、むねがおどりだしそうだなあ」
パパも立ちあがり、曲にあわせて手びょうしをとりました。
そしてアカネは、はっと、大切なことに気づいたように手をうちました。

「パパ、ママ、いっしょにおどろう!」
アカネは二人の手をとって、「ディスコキッド」のリズムにあわせてステップをふみました。
アカネは、パパとママに白い歯を見せて言いました。
「パパとママ、ダンス上手だね!」
「家族でダンスも、楽しいなあ!」
「こう見えて、ママはダンスが得意なんだから!」
パパとママも、アカネに白い歯をむけて言いました。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員