アカネと銀河の遊園地(2/15)

文・泉 あおり  

2 麦わらぼうし

よく朝の7時50分。おなじクラスのケン太が、アカネをむかえにきたのです。
アカネはげん関ですわりこんで、昨日のつづきをするように、ママとおし問答をくりかえしていました。
白いスニーカーのひもを、アカネはなんども結んではほどき、ほどいては結んだりして、かれこれ十分も時間をかせいでいたのです。しかし、ママはまったくアカネのうったえを聞いてはくれません。

「行かないよー」といくらアカネがさけんでも、
「そうだ。ケン太くん、こんど家につれてきなさいよ」
とママの明るい声がさえぎってしまうのです。
しだいにアカネは、おしりのしびれにたえきれなくなり、
「おなか、すっごくいたいっ」
と最後のていこうをこころみたのです。それでも、
「こんど、アップルパイを焼いてあげるから! ケン太くん、あまいの好きかなー?」
と、どこまでも元気なママのペースに、アカネははまってしまうのです。
こうなれば、バレないように部屋にもどって、ふとんのなかにもぐりこむしかない、とアカネは考えました。そして、アカネがスニーカーに手をのばしたときでした――。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員