アカネと銀河の遊園地(4/15)

文・泉 あおり  

4 パパを説得!

アカネはオレンジ色にそまる空をながめながら、ケヤキの道を歩きました。1人で帰るにはとても大きな道だな、とアカネは感じてしまうのでした。
3人で帰っていたときには、大きな道だなんて、一度も考えたことがありません。
朝耳にした、「青い火の玉が出る」という墓地にさしかかると、アカネは目をつぶって走りぬけました。

家につくころには、いつしかセミの声も小さくなり、空にはうっすらと夕やみがたちこめてきました。
アカネは空を見あげました。緑色の大きな満月がうかんでいます。月の表面にある、でこぼことしたクレーターがはっきりと見えました。アカネは頭につけたカチューシャを外して、空にうかんだ月と見くらべました。
「やっぱり、地球の月はかわいいな」
小さくて丸い地球の月を想ぞうすると、アカネはうっとりとした気分になるのでした。そしてアカネは、パパとママを説得して、夏休みは地球に行くぞ、と自分のむねをたたきました。
そしてアカネは、カレンちゃんにどうしてもあやまりたい、と心からそう思ったのです。

「ただいまあ」
「あら、かわいいカチューシャね」
ママは台所で野菜を切っていました。つづいて煮魚のあまいにおいが、アカネの鼻をくすぐりました。アカネがおなかに手をやると、ぐうと鳴るのがわかりました。

「夏休み、あたし地球に行きたい」
「うーん」
ママが包丁の手をとめました。
「パパに聞いてみないとね」
アカネは明るい声で、ママにカチューシャを見せました。
「これ、地球にある遊園地のパスポートなんだよ」
「知ってるよ」
「えっ」
アカネは思わずきょとんとしました。
「どうして、知ってるの?」
「うーんとね、それはヒミツ」
ママは少し顔を赤らめて、鼻をぽりぽりとかきました。
ともあれママも、夏休みの家族旅行で地球へ行くことには、どうやらさんせいのようでした。
しかし、家族旅行の行きさきは、パパのさんせいをもらわないといけません。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員