アカネと銀河の遊園地(5/15)

文・泉 あおり  

5 終業式の日

「宿題、わすれずにね」
校内にチャイムが鳴ると、レイコ先生がクラスのみんなに言いました。
ようやく、アカネに夏休みがおとずれたのです。
今日こそはいっしょに帰ろうと、アカネは首をまわして、教室のうしろのケン太の席にし線をおくりました。カレンちゃんが地球に行ってしまってから、もう1週間がたちました。
しかし、アカネはずっとケン太と帰っていませんでした。学校がおわると、なぜかケン太はすぐに走って階だんをおりていくのです。

でも今日のケン太は、まだ自分の席にすわっていて、なにやら一生けん命なひょうじょうをつくっていました。ケン太のところにアカネが近づいていくと、
「できた!」とケン太がレイコ先生をよびとめたのです。
ケン太は夏休みの宿題の一つである、「将来のゆめ」の作文を、さっさと仕あげてしまっていたのです。

「もう、できちゃったの?」
レイコ先生がおどろきの声をあげました。
「まあね。おれのゆめは、大発明家だから!」
帰りの仕度をするクラスのみんなが、いっせいにケン太に顔をむけました。
「わあー」
「すごーい」
みんなが目をかがやかせて言いました。
カバンに教科書をつめこむ手をとめて、クラスのみんながケン太をとりかこんだのです。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員