アカネと銀河の遊園地(6/15)

文・泉 あおり  

6 ママと待ち合わせ

夏休みにはいってから2週間がたちました。
アカネは麦わらぼうしをかぶって、駅前のベンチにこしをかけています。今日はママとデパートに行く約束をした日です。
お昼の2時に、アカネとママは駅前のベンチで待ちあわせをしていました。

明日はようやく、家族で地球に旅立つ日で、ママは宇宙旅行のためにと、デパートで洋服を買うことにしたのです。
アカネは開放プールのかえりでした。水着のはいった黄色いキンチャクぶくろをむねにかかえて、すこしぐったりとしたひょうじょうをしています。
「アカネ、お待たせ」
紙ぶくろをかかえたママが駅前のスーパーから出てきました。
「おそいよ」
アカネが顔をあげました。
「あら、もう2時10分!」
ママがうで時計に目をやりました。

「パパのシャツを買ってたの。あそこのスーパー、衣料品もすっごく安いのよ」
「パパの新しい服、買ったんだ。 もったいないなあ」
「そうだけど、パパの楽しそうな顔を見ると、ついね」
「ふうん」
アカネは紙ぶくろのなかをのぞきこみました。
「げっ、ピンク!」
ママは、パパにピンクのTシャツを買っていたのです。アカネははずかしくなり、紙ぶくろから目をそらせました。

「どうしてよ」
ママはほほをふくらませましたが、それでもひょうじょうはほころんでいました。
それだけでなく、いつもうしろで束ねていたかみも、ふわふわとしたまきがみになっていました。
「パーマ、あてたの?」
アカネがたずねました。
「うん」
ママがひとつせきこんでいいました。
「あのころと、おなじかみ型にしてみたの」
「あのころ?」
「あ、いや」
ママがかたにかかったかみを手ではらいのけます。
「いやね、あんまり老けたかっこうで、写真にうつりたくなかっただけよ」
「ふうん、それだけ?」
「もう、アカネったら」
ママがもうひとつせきこみました。
「さっさと行こう」

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員