アカネと銀河の遊園地(7/15)

文・泉 あおり  

7 宇宙へ出発!

ゴゴゴオオォォ!
よく朝、パパとママとアカネは、空飛ぶ車で地球へむけて旅立ちました。
家のちかくの高速道路から、宇宙へ飛びたつための道路に乗ったのです。

「シートベルトーっ」
自動車のハンドルをにぎったパパが、気合をいれるようにさけびました。すると、
「はいさーっ」とママもつられるようにさけんだのです。
アカネは二人のいきおいに気おされて、あわてて自分のシートを固定しました。
「ひいぃ」
桜木家の赤い自動車が、グリーンの道路へと車線を変えました。
白い雲をつくようにして、高速道路の分き点から一直線に、グリーンのレーザー光線が青い空へと立ちのぼっています。
そこを走ると赤い車は、ずんずんと空をかけのぼっていきました。

「ひさしぶりだから、ワクワクするなあ」
パパが鼻をふくらませて言いました。
「ちょっと、スピード、だしすぎじゃない?」
ママが歯を食いしばりました。
アカネは車の加速にあっとうされて、思わず目をとじてしまいました。
「ひいぃぃ」
三人のせなかが地上をむくと、さかあがりのようにしてひざが天にむきました。
三人の後頭部が、ぴったりとシートにはりついています。

「それぇい!」
パパが鼻息あらくさけびました。
「きゃあー」
ママとアカネがどうじに悲鳴をあげました。
するとすぐ、三人のおへそが前をむきました。つづいて三人が、きつつきのように頭をふりました。さいごに三人の、かたがすとんと落ちました。
ようやく、桜木家の自動車は宇宙へととつ入したのです。
「ふいぃ」パパが安どの息をもらすと、「んもう」とママがむねに手をやりました。
アカネは二人を見ると、とたんになみだぐんでしまいました。
「はひいぃ。生きててよかったぁ」

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員