アカネと銀河の遊園地(8/15)

文・泉 あおり  

8 スペースレールは大じゅうたい!

「地球方面、じゅうたいっ、1万光年!」
車内のナビゲーターが交通じょうきょうを知らせてきました。
「げっ、こりゃあまずいなあ」
パパが頭をかきかきとしながら、ため息をつきました。
桜木家の車は、ようやくスペースレールに合流することができました。しかし、車はちっともまえに進みません。まわりの車たちも、みんな太陽系を目指すようでした。

そのとき、下からクラクションを鳴らされました。上しょうしてくる車が、「わたしたちも、スペースレールに入れてください!」と、パパに合図をだしたのです。
「おおっと」パパが急いで車を動かすと、
「アブナイっ!」とママがさけびました。
急発進したために、前方のオレンジ色のミニバンにぶつかりそうになったのです。
するとすかさず、
「The baby has gotten on!! (赤ちゃんが乗っています!)」と、ナビが運転手にきつく注意をしました。
「ふいィ、あぶなかったなあ」
パパがおでこのあせをふきました。
「すいませんでした・・・」

宇宙にでてきた人たちは、みんなが夏休みのようでした。ただでさえ、この銀河には2000億ものわく星があるのですから、じゅうたいをするのも無理はありません。
「がんばれー」
アカネはまどから見える、宇宙警察のおじさんたちに、大きく手をふりました。宇宙で働く警察の人たちは、たくさんの宇宙船をゆうどうするのに、あたふたといそがしそうでした。
とつぜん、アカネの左右から、パパとママがうなり声をあげました。
「さて、どうするものかなあ」
パパがママになにやら、うかがいを立てるように目をむけました。
すると、「ワープはだめよっ!」
ママがいっかつしたのです。
「どうしてー」とアカネが聞きました。
「運ちんが高いんだよなあぁ」
パパはと息をもらしてそう答えました。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員