ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(3/7)

文と絵・小熊猫吉

広い住まいから小さな鉄のおりに入るのを嫌がって、ズゼちゃんなかなか言うことを聞きません。
部屋のしきわらをおりに入れて部屋と同じ匂いをするようにしたり、ズゼちゃんの大好きな食べ物、リンゴやバナナをおりに入れたり、ズゼちゃんが自分で入るまで待ちました。

ズゼちゃんをおりに入れる前の日に、暮らしていた部屋の前の広場には大勢の子供たちやお母さんたち、それから募金活動をしていた皆さんが見送りに来てくれました。
ズゼちゃんと一緒に神戸に行く飼育係の私と動物園長さんに花束が渡されました。

「ズゼちゃんを安心させてあげてね」
「お気をつけて行ってらっしゃい」
「ウズ レゼーシァヌオス(さようなら)、ズゼちゃん」
「エスィエト ブェセルス(元気で)・・・」
涙ぐむ皆さんが声をかけてくれます。

2 / 3123

小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。