ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(5/7)

文と絵・小熊猫吉

トラックはすぐに走り出しました。
大きなビルディングが立ち並ぶ大都会です。
高速道路に入ると周りの光景が目に入りました。
山などほとんど見えない牧草地です。
遠くに森が見えます。
回りは牧場のようで、白黒の乳牛がたくさん草を食べている様子が見えました。

森の中から教会の高い尖塔がのぞいています。同じような風景が続きます。
リーガの郊外と同じ放牧地です。
夕方になりました。
少し薄暗くなった頃に大きな街に入りました
街を通りぬけるとやっと飛行場に到着しました。

ゴゥー、ゴー
エンジンの大きな音が響いています。
たくさんの飛行機が整然と並んでいます。

「目の前の大きなのが日本に行く飛行機だよ。中でご飯と水をあげるからね。もう少しの辛抱だよ」
私はズゼちゃんに声をかけます。
飛行機の後部のドアが大きく開いています。
クレーンでズゼの入っているおりがそこから機内に積み込まれます。
横には私がいるのでズゼは落ち着いています。
ズゼも安心しているようです。ゆっくりとドアが閉まりました。
エンジンの音が大きくひびきふわっと浮き上がるのが分かりました。

2 / 3123

小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。