ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(6/7)

文と絵・小熊猫吉

「やー、君が来るのを待っていたよ。遠いラトビアからの旅、疲れたでしょう。これから仲良くしょうね。諏訪子お婆ちゃんも一緒だからね」
ゾウ舎の中から雄のゾウ、マックくんが声をかけているようでした。

「可愛いズゼちゃん、もう安心だよ。今日はお腹いっぱいご馳走をいただいてゆっくりおやすみなさい」
諏訪子婆ちゃんもやさしく話しかけてくれているようです。

ズゼちゃんのお部屋は諏訪子婆ちゃんとマック君の間にあるお部屋です。
床には暖かそうな稲わらと干し草がいっぱいに敷き詰められています。
早速私と王子動物園の飼育係員さんとでバナナ、リンゴ、白菜、キャベツや小麦や豆などを前に置きます。
水はバケツでなくて、水道蛇口から流れ出る水をホースから鼻にすいこみ、何度も口に流し込みます。

やっと一心地着いたのでしょうか。安心できたのでしょうか。みんなの前でズゼちゃんは、お小水をたくさんたくさん出しました。
「グッド。グッド。良かった。良かった」
私と王子動物園の飼育係のみんなと顔を見つめ合わせ、強く握手しました。

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小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。