ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(7/7)

文と絵・小熊猫吉

朝九時前にはズゼちゃんを寝室からグランドに出します。
フンや尿で汚れている敷きわらをかたずけて、寝室をきれいに水洗いをします。

ズゼちゃんの1日が始まりました。
午前9時の開園と同時に、入口から一番近いゾウ舎の前にはお客さんが集まります。
「ゾウさん、おはよう。こっち向いて」
幼稚園の可愛いい子どもたちから声が上がります。
そして「ゾウさん、ゾウさん、おはながながいのね・・・」と合唱が始まります。

ゾウたちは、グランドに置かれた野菜や果物を食べ始めます。
固い竹を鼻で巻き上げ、口に持っていってかみくだきます。
バリバリ、バリバリ!
大きな音がします。
「わー、すごいなー」
子供たちの歓声が起こります。
「ゾウさん ゾウさん おはながながいのね。そーよ かあさんもながいのよ・・・」
子供たちがまた歌います。
王子の園長さんが園児たちの後ろに立ち、ズゼちゃんの様子をほほえみながらながめています。
園長さんは早くマック君とズゼちゃんが仲良くなって、赤ちゃんを産んでほしいと願っていました。
日本の動物園では、ゾウの赤ちゃんが生まれることが少ないので、 お客さんたちや動物園の関係者も、何とか赤ちゃんを産ませたいと熱望していました。

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小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。