ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(1/7)

文と絵・小熊猫吉

ズゼちゃんはアジアゾウの女の子。
北欧の国バルト海に面したラトビア国のリーガ市にある国立リーガ動物園で生まれました。
正式な名前は「スザンナ」。
愛称の「ズゼ」と呼ばれる人気者です。

母ゾウはロシアのモスクワ動物園から借りていたので、最初に生まれた子供はモスクワ動物園に返す約束でした。
ところが母親はズゼちゃんを産んですぐに亡くなってしまいました。

そこで飼育係の私、エドガルス・カッタイが人工保育でズゼちゃんを育てたのです。
人工保育とは母ゾウのおっぱいと同じ成分のものを牛乳などで作ったお乳を与えて育てることです。
ズゼちゃんはお母さんのおっぱいを口一杯に含んで飲んだことがありません。
体重130キログラムにもなる赤ちゃんに与えるミルクは大変な量です。
1回にバケツ1杯ぐらい飲みますから。
私たち飼育係の懸命な努力で母乳の成分に近いミルクを飲み、すくすくと育ちました。

1 / 3123

小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。