ラムネスイッチ(1/5)

文・小林雅野  

おさななじみのようちゃんと、けんかした。
理由は、ようちゃんの約束やぶり。
4年生になって、英会話と、じゅくに行きだしたようちゃん。
ぼくとサッカーするはずだった公園に、英語のレッスンバッグを持ってきて、
「悪い。おれ、今から英会話だ」
なんて言うから、カチンときたんだ。
「また? おとといも、じゅくのふりかえがあるからって、約束やぶったばっかりだ」
ようちゃんとぼくは、同い年。
保育園からずっといっしょで、けんかなんて、今までしたこと、なかったのに。
ぼくが怒ったら、ようちゃんも、むうっとむくれて、だまって走っていってしまった。

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小林雅野 について

(こばやしまさの) 東京都出身。早稲田大学教育学部卒。一児の母。子育てしながら文筆活動、里山保全活動をしています。 旧姓:西沢での著書に『イボ記』(小学館)。表題作は女子大生の足指のイボをめぐる異色青春小説。併録の『おしえない』は黄面と呼ばれる異形たちの国に迷い込んだ人間が出会う不条理奇譚。現在は電子書籍ストアにて発売中(イボ記』)。 ブログ:糸の器ブログ HP:糸の器