ラムネスイッチ(3/5)

文・小林雅野  

ぐるぐる ぐるぐる。
公園の地面が、回り始めた。
地面の上の、ぶらんこも。
すべり台も。シーソーも。
ジャングルジムも。鉄ぼうも。
砂場も。ぼくも。
ぐるぐる ぐるぐる。
「うわあ」
「ショウタ~イム!」

気がついたら、ぼくは、回る遊具で、そいつと仲良く遊んでいた。
「ぶらんこ乗ろうよ!」
「スウィング。オーケイ」
「ひゃあ、目が回る!次はすべり台!」
「スラーイド。グーッド」
地面が回っているだけで、公園の遊具はどれもこれも、遊園地の乗りものレベルにパワーアップ。
はくりょく満点だ。

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小林雅野 について

(こばやしまさの) 東京都出身。早稲田大学教育学部卒。一児の母。子育てしながら文筆活動、里山保全活動をしています。 旧姓:西沢での著書に『イボ記』(小学館)。表題作は女子大生の足指のイボをめぐる異色青春小説。併録の『おしえない』は黄面と呼ばれる異形たちの国に迷い込んだ人間が出会う不条理奇譚。現在は電子書籍ストアにて発売中(イボ記』)。 ブログ:糸の器ブログ HP:糸の器