ロイちゃん(4/6)

文・泉 あおり  

「ロイちゃんに、井上だ!」
「オハヨー、まってました」
パチパチパチ。
リュックをせおって教室にはいると、スズ子はみんなにはくしゅでむかえられた。
「へ、へえぇ、やだぁ」
ドキドキ。
みんなのし線を一気にあつめ、スズ子の顔は真っ赤になった。
まもなく、きん肉ムキムキの先生が、
「みんな、おかしは200円までにしただろうな。ちなみに、バナナもおかしだぞ、わっはっは!」
とだれよりも、でっかいリュックをしょってとうじょうした。
「それじゃあ、遠足にしゅっぱつだー」

ブーンっ。
ワイワイ、きゃっきゃっ!
バスは、赤とオレンジ色にそまった山道を走っていった。
カシャッ、パシャッ!
スズ子がロイちゃんを、バスのまどにむけると、カーブをまがるたびにフラッシュが光った。
「スズちゃん! ほら、ちゃんとかまえて。あたし、山ははじめてよ!」
「だよねぇ、でもぉ、バスによってきたよぉ」
もちろん曲がりくねった道のせいもあるが、スズ子が動くたびにみんなから見つめられ、おかげでスズ子はゲロゲロと気もちがわるくなってしまったのだ。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員