優しくステキな人になるために

だいすき ぎゅっ書影だいすき ぎゅっ ぎゅっ
フィリス ・ゲイシャイトー+ミム・グリーン 文
デイヴィッド・ウォーカー 絵
福本友美子 訳
岩崎書店

厳格な父母に育てられたせいか、叱られることは多かったが、あたたかく抱きしめられた思い出が私にはほとんどない。子は親の背中を見て育つ、とよくいったもので、私は同じように子どもに対して厳しく接してきた。大きくなった子どもを見て、すまなかったなぁ、と今さらながら思う日々である。

本書『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』がもっと早く出版されていて、私が手に取っっていたら、子どもに対しても、もっと優しくなっていたのではないだろうか。
小さなお子さんをお持ちの、お父さんやお母さんが、私のような思いをしなくてすむように、本作品を紹介したい。

本作品の登場人物はウサギの親子。ウサギの親子が、何時に何をするか、日常の日々に行うことと時間を学ぶことができる生活絵本だ。
8時に起きて、朝ご飯をたべたあとに、
「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」
「うれしいな、もういっぺん」
「9じに ぎゅっ」
「10じにも ぎゅっ」
うさぎお母さんと子どもがうれしそうに抱き合う絵と、その時間を示す時計が描いてあって、ほのぼのとする。
子育てをとうに終えた私でも、親子でハグするシーンに思わず笑みがこぼれる。

朝からずっと一緒にいられるお母さんはいいが、働くお母さんはどうしたらいい?という声が聞こえてきそうだ。そんな時も心配ご無用。
仕事が終わって園にお迎えのときに「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」。
晩御飯を食べてから「ぎゅっ」。
お風呂を出てから「ぎゅっ」。
おやすみ前に「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」
で4回もハグができるではないか。

入園前の小さなお子さんや幼稚園児のお子さんといっしょに読んでほしい。読んでいる最中に「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」を忘れずに。大好きだよという気持ちを、言葉と行動で表すことの大切さを親にも教えてくれる作品だ。

「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」を経験した子どもは、あなたのように、きっと優しくステキな大人に、親になることでしょう。
あわせて『ハグタイム』もおすすめしたい。

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