動物村のことわざ会議(2/4)

文・山庭さくら   絵・にわ かずえ

「みんなのは、まだいいんじゃないですかい? 『とらのいをかるキツネ』なんてひどいもんですぜ。なんでも、いきおいをもつ人にたよって、いばる人のことらしいんですがね。いつ、おいらがとらさんの力をたよって、いばったっていうんですかい。人間が勝手にお話を作っただけじゃないですかい」
キツネのコンキチは、だんだんこうふんして、つり上がった目をますますつり上げました。
動物ことわざ会議2場面「そういやあ、いじめっ子のけんたくんといっしょにいるしゅんすけくん、けんたくんといっしょのときだけ、いばってますぜ。けんたくんのいないときは、こそこそしてるのに。『けんたのいをかるしゅんすけ』っていうのはどんなもんです?」
「そうよね。人間だって、同じ人間の名前のほうが、わかりやすいわよね」
木のえだにいたリス子がさんせいすると、
みんなも「そうだ。そうだ」とはく手したので、森の木が、ざわざわゆれました。

「ぼくは『たぬきねいり』っていうのがゆるせません。都合の悪いときなどに、ねたふりをすることらしいですが、ぼくはそんなひきょう者じゃありません。たしかにぼくはおくびょうで、おどろいたときに、ショックでたおれて少しの間、気をうしなうことはありますよ。でも、それとこれとは、まったくちがうと思いませんか?」
いつもはのんびりやのタヌキのポンすけも、ゆう気をもって思い切って発言しましたが、その顔は真っ赤でした。

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山庭さくら について

山庭さくら(やまにわ さくら) 愛媛県出身。大好きな童話作家は浜田広助。 図書館での読み聞かせ、児童養護施設でのボランティア、大学病院の小児科でのボランティアでの読み聞かせを行ってきて、童話や絵本の大切さを実感。 2006年に出版した『ウータンタンのおはなし』は、大分県の夏休み課題図書に選ばれる。 その後、依頼で『不思議なコウモリ』や『シッポでさよなら』などを創作。これまで作った作品は20以上。読み終えた後に、心がほっこりする童話を書きつづけている。 HP:幸せつなぎスト

にわかずえ について

神奈川県出身。ゆうゆう絵本講座 4期生。 今人舎より出版の絵本『てをつなごう』(きむらゆういちのゆかいななかまたち)に絵で参加。 クレヨン・クレパス画を中心に制作中。