地方在住の私が実践した3つの「学び」 

童話作家、絵本作家になるのは、出版社の多い東京(関東圏)に住んでいないと不利なのでしょうか? 誰しもが不安に思うことです。通信手段の発達した今は、地方でも作家活動はできます。長崎在住の気鋭の童話作家が皆さんの疑問や不安に応えます!

◆公募を修行の場とする◆
絵本や童話創作の学校は東京など大都市に集中しています。ですが、スクーリングは難しくても地方に住みながら学ぶことはできます。今回は、長崎在住の私が実践してきた3つの方法をご紹介しましょう。

多くの作家志望者がなんらかの童話・絵本コンテストに応募するのではないでしょうか。公募には、テーマ、文字数(場面数)、締切があり、プロになる修行の場としてもってこいだと思います。
けれどもただ漠然と回数を重ねるだけでは力はつきません。傾向と対策が大事です。応募する前には、主催者が何を求めているのか、対象年齢はどのグレードなのかは必ずチェック。また過去の作品を読むことも大切です。
また落選した時こそ、学ぶチャンスです! 必ず受賞作品を読み、何がおもしろくて、どこが自分の作品と違うのか、見えてくるはずです。
しかしながら私の場合、落選すること30回。もうこれは専門家に見てもらいアドバイスをもらわなければ先に進まない、そう思って通信添削の門をたたきました。

◆添削を受ける◆
私が、受講した添削講座(有料)は次の2つです。

日本児童文芸家協会 一歩前へ!通信添削教室
絵本テキストや創作童話、詩など一作品ずつ見てもらう形式。5人の講師に合計10作品ほど見てもらいました。
日本児童文学者協会 実作通信講座
1年間に同一の講師に規定の数の作品(3編~5編などコースによる)を継続して見てもらうもの。私は同じ講師に2年間見てもらいました。

どちらもプロの作家一覧の中から希望の講師を選ぶことができます(諸事情により他の講師になることもあり)。物語の構成や文章の技法が学べるだけでなく、書き手としての心構えなど大いに勉強になりました。
これらの協会は通信添削だけでなく、東京を中心としたスクーリング形式の連続講座も企画されています。それぞれのホームページをご覧になることをおすすめします。

ペン 黄緑◆勉強会に参加する◆
日本児童文芸家協会には16のサークルが、日本児童文学者協会には21の支部が全国にあり、勉強会などの活動をしています。また他にも同人誌の勉強会が各地で企画されていますので、ネットなどで調べてみてください。

勉強会にはさまざまな目的があります。プロを目指しているのか、楽しく書きたいのか、そのあたりも見極めて参加するとよいと思います。さまざまな角度から意見をもらうことで、自分がひとりよがりに書いていたことにハッとさせられます。書く仲間も増え、刺激をもらうことは次の作品へのエネルギーになります。

十数年前、まだ子どもが幼い頃、公募の締切前に「時間がない」と泣きながらパソコンに向かっていました。仕事ではないので、出さないなら出さないで誰にも迷惑をかけるわけでもなく、責任もないのですが、とにかく書きたいという気持ちでいっぱいでした。
がむしゃらでしたが、早い段階で具体的な「地方にいても学ぶ方法」に出合ったことで、一段ずつプロへの階段を上っていけたように思います。デビューを目指す皆さんは、あせらず、具体的な学びを見つけてください。

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新井悦子 について

長崎県在住。保育絵本キンダーブック2(フレーベル館)の生活コーナーのお話を4年間執筆。絵本に『きょうはとくべつなひ』 (教育画劇)、『いたいのいたいのとんでゆけ』 (鈴木出版)、『だいすきのしるし』 (岩崎書店)、訳本に『中国のおはなしシリーズ』(Benesse)、紙芝居に『ちんちろりんおばけ』『なすおばけ』など(教育画劇)。創作の他に英語教材のストーリー制作、ワークブックの企画など。地元では子どもの本に関するボランティアグループおはなしマルシェに所属し、「させぼふるさと紙芝居」として地元の昔話『じんねみどん』『三川内の化け猫騒動』など現在5巻を制作。日本児童文芸家協会会員。