太陽がほしかった王様(4/8)

文・伊藤由美   絵・伊藤 耀

「全めつじゃと!」
王様は真っ赤になり、足をふみならしました。
「なんたること! だが、こんなことで、わしはあきらめぬぞ。そうじゃ、船じゃ! 船を西の果てに向かわせよ! 沈む夕陽をすくい取るのじゃ!」
さっそく、8000そうの船が、特大の丈夫なあみを積んで、西の海を目指して、船出していきました。
帆には、マガタの印、黄金のライオンが輝きます。
先頭を行く船のへさきで、いばってうで組みするのは黒ひげ提督(ていとく)。これまで海の戦いでは負け知らずです。

「にっくき太陽め。わしが、きっと、赤ひげ将軍のかたきをとってやるぞ」
ところが、間もなく、熱帯をあばれまわる大風がやってきて、3000そうの船が、水兵もろとも、沈んでしまいました。
その後、命知らずの海ぞくと戦って、さらに3000そうを失いました。でも、それより、何より、困ったのは、行く手に現れた大陸でした。

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伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。