太陽がほしかった王様(1/8)

文・伊藤由美   絵・伊藤 耀

むかし、まだ、インドがマガタと呼ばれていたころ、一人の王様がいました。
王様は、それはもう、たいそうな金持ちでした。いくつもの金山と銀山、数え切れない宝石の島々を持っていたからです。
その姿は目もくらむばかり。黄金の冠をかぶり、全部の指に宝石の指輪をはめ、うでにはうで輪、耳には耳輪、鼻には鼻輪、胸には、ジャラジャラと、首輪・・・、いえ、首かざりをぶら下げていました。

7つの宮殿は、どれも、真っ白な大理石。広い庭には南国の珍しい花が、いっぱい、咲いていて、ゴクラクチョウがきれいな声でさえずり、トラやヒョウ、金色のヒヒなんかが、のんきに遊んでいました。王様の軍隊はとても強く、世界中の国々が王様の前にひれ伏していたので、欲しいと思うものは、どんなものでも、すぐに、手に入ったのです。

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伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。