弁慶とガリ勉(4/7)

文・池田幸生  

帰るときに、弁慶が玄関で靴をはいていると、
「真一と同じクラスなのね。仲良くしてね」
そう言われて、弁慶は小さくうなずきました。
あれほど受付で断られていたのに、どうして急に診察室に通されたのか、弁慶は気がつきました。

(あいつの家だったのか・・・)
弁慶は外に出ると、あらためてその家を見上げました。
それは、弁慶の家とは似ても似つかないほどりっぱな洋風の家でした。
3階の窓に、組み立てられた大きなロボットがうつっていました。

真一が、自分の部屋に入り、なにげなく窓から外をのぞくと、下に弁慶が立っていました。
弁慶は、真一と目が合うと、そのまま帰って行きました。

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池田幸生 について

(いけだ ゆきお)東京都墨田区出身。防衛省陸上自衛隊を退官して現在区役所に勤務。慶應義塾大学文学部を通信教育で卒業。高校時代から童話を趣味で執筆、いつか童話作家になりたいと勉強中。