それからというもの、二人はこの公園で待ち合わせをしました。
真一が塾を終え、公園までかけ足でむかい、キャッチボールや素振り、ノックを受けました。
夕食を食べると、今度は真一の家に弁慶が来て、いっしょに勉強をしました。
初めは、お互い苦手なことで、ぎこちなさばかりでしたが、1か月も続けるうちに、真一のバットのしんにボールが当たるようになり、キャッチボールもできるようになりました。
弁慶も、応用はまだまだでしたが、きそ的な学力はついてきました。
真一の両親も、初めはあまりいい顔をしませんでしたが、今までにない楽しそうな真一を見ると、自然と弁慶を受け入れるようになりました。
やがて、学力テストの日程が発表され、真一は、弁慶のために予想問題を作っては毎日やらせました。
いやがっていた弁慶も、夜遅くまで自分のために問題を作る眠たそうな真一を見て、夢中で勉強をしました。
テストが終わり、その結果が張り出されると、学年1番は真一。
そしてなんと、弁慶は今までの学年最下位から、学年10番の位置にまで上がっていたのです。
これには、たんにんの先生を始め、弁慶の家族や親せきなど、大騒ぎになりました。