弁慶とガリ勉(7/7)

文・池田幸生  

真一は、必死のぎょうそうで、ホームベースに突っ込みました。

間一ぱつ。
「セーフ!!」

審判の大きな声と、広げる両手を見て、皆がいっせいにかけ寄りました。
「逆転さよならホームランだ!!」

息を切らしながら立ち上がる真一を、クラスの皆がもみくちゃにします。
真一の両親は、抱き合って泣いています。

皆の間を抜けて、弁慶が真一のところまでかけ寄ると、その肩を痛いほどたたきました。
「おい! ガリ勉! やるじゃねえか!!」
真一は、その声に、くしゃくしゃの笑顔で答えました。
(完)

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池田幸生 について

(いけだ ゆきお)東京都墨田区出身。防衛省陸上自衛隊を退官して現在区役所に勤務。慶應義塾大学文学部を通信教育で卒業。高校時代から童話を趣味で執筆、いつか童話作家になりたいと勉強中。