愛する「家族」を失ったとき読んでください

ねこたちのてんごく書影ねこたちのてんごく
シンシア・ライラント 作・絵
まえざわあきえ 訳
ひさかたチャイルド

2016年2月、16年間生活をともにした愛猫が天に召された。つい数時間前まで甘えてくれていたのに、突然倒れてしまった。最善を尽くすために深夜の動物救急病院に走り、手術も決断したのだが、とうとう彼女は戻ってこなかった。

なぜ彼女を救えなかったのか、なぜもっと早く病院に行けなかったのか・・・いろいろな思いがめぐり、私の胸はずっと痛んだ。彼女のことを思い、後悔の念を何カ月も引きずった。
そんなとき、本作品に出合い、何ども読みかえした。家族の一員としてねこや犬などペットと暮らしている方に紹介したい。

ねこは命が燃えつきたとき、天国に行くという。でも決して苦しくもなく、恐くもない。天国にいく途中は楽しいことでいっぱいだから。
そして天国に行くと、天使や神様が出迎えてくれる。美味しいご飯が食べられ、おもちゃで楽しく遊べ、ふかふかのベッドで眠れる。地上にいるときと同じように優しく可愛がってもらえ、何不自由なく生活ができるのだ。
でも、ねこはときどき遠くをながめながら、いろいろなことを思い出す。
その理由は・・・。そしてねこは何を思うのか・・・。

作者のシンシア・ライラントは常に犬やねこに囲まれて暮らしているという。ねこがご飯を食べているシーンの絵やおもちゃで遊ぶシーンの絵、抱っこされている絵を見ていて、「そうそう、こんな顔するよね」とうなずきたくなる。ねこのこと、ねこの気持ちが分っている作者だからこそ、絵も文章も読者に響くのだ。
特に愛するペットを失った人は、本作品を読んで、ハンカチを手放せなくなるだろう。でもその涙は悲しく苦しいものではないはずだ。私も本作品を読んで、引きずっていた悲しみと後悔を収めることができた。

大人はペットを亡くしたとき、悲しみがなかなか癒えないが、子どもたちは大人以上に胸を痛めてしまう。そんなとき本作品を読んであげてほしい。天国に行ったペットたちがどう過ごし、何を思っているのかを子どもたちは理解し、涙をふいて天の空を見上げてくれるだろう。

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