未来人がやってきた(2/5)

文・泉あおり  

やがて、コウタはつくえでうとうとしはじめた。
「おい、コウタ。おいってば、コータ!」
「ん? ぼくの名前をよぶのはだあれ?」
「ぼくだよ。未来のぼく。ぼくは未来のコウタだよ」
「わあっ!」
なんと、つくえのうえにもうひとりのコウタが立っていた。
「あ、あわわわっ。ぼ、ぼくがふたりぃ? ど、どうしてっ」
ピチッとした銀色のスーツを着ているもうひとりのコウタは、マンガで見る未来人そのものだった。なんど見ても、部屋のなかにコウタがふたりいるのだ。

コウタが目をゴシゴシこすると、
「ゆめじゃないって。ぼくは未来からやってきたんだよ」
と未来のコウタは肩をすくめた。
コウタはむかしのアニメを思いだした。タイムマシンとやらで、過去にやってくる男のはなしだ。その男はなんでも知ってる超人のようなヤツだった。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。