未来人がやってきた(3/5)

次の日は、コウタの大っきらいな体育の時間だった。
きん肉ムキムキの先生が、
「冬の寒さに負けてちゃいかん! 走って体をあっためるぞ!」
と言って、たっきゅうの時間を無理やりマラソンに変えたのだ。
「えええ!」
「冷凍みかんになっちゃうよ!」
ブーブー、わーわー、とクラスのみんなは大ブーイング。
「きたえて、デカくなる。それがきん肉だ、わっはっは!」
「せっかく、ラケットをもってきたのにぃ」
みんなは、ぬくぬくとした部屋でピンポン球と遊ぼうと思っていたのだ。
ただでさえ冬がにがてなコウタは、教室にいるだけで、すでに凍ってしまいそうだった。

「きん肉まんじゅうめ、いま外になんか出れば、きっとぼくはカチコチのマグロになっちゃうぞ。なんとかしないとっ」
「たっきゅう! たっきゅう! たっきゅう!」
みんなが、先生にむかってぶーぶー言いだした。
「おんしつ! おんしつ! おんしつ!」
「ピンポンっ、ピンポンっ、ピンポンっ」
走るのも大っきらいなコウタは、みんなといっしょに、ぶーぶーともんくを言った。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。