正直な王様ハンス(1/3)

文・伊藤由美   絵・伊藤 耀

むかし、とても美しくて、とてもぜいたくな王妃さまがいました。
王妃さまは、1日、3着のドレスと3足のくつを作りました。それぞれのドレスを飾るのは虹色の真珠と色とりどりの宝石。くつときたら、ピッカピカの金でできていました。
お城には、毎晩、おおぜいのお客が招かれ、真っ白なテーブルクロスに銀の食器で、香ばしい肉だの、新鮮な魚だの、果物だの、たいそうなごちそうをたらふく食べました。それから、楽士たちの愉快な音楽に合わせて、キラキラのシャンデリアの下で、夜がふけるまで踊るのでした。

王さまは、美しい王妃さまのために、どんなぜいたくな願いもかなえてやりました。それにはたくさんのお金が必要です。そこで、王さまは、国の人々に、とても高い税金をかけました。それでも足りないので、戦争に出かけては、まわりの国々から財宝を奪い取りました。まわりの国々にしてみたら、大そうな迷惑です。

そんな王さまと王妃さまには、長い間、子供がいませんでしたが、ある年、とうとう、玉のように可愛い女の子が生まれました。アウロラと名付けられた王女さまは、たくさんの召使いにかしずかれて、何不自由なく、すくすくと育って行きました。

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伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。