消しゴムくん、旅にでる!(2/10)

文・泉あおり  

あれから1日と、3時間がたちました。
「がっはは! おい、ゴーの顔が、またほそくなってるぜ」
「もう、またぼくを見て、笑ったぁ」
顔がすこし小さくなったぼくを、ジョーがゲラゲラと笑いました。
ピン子はいつものように、顔についたカスを、手ではらってくれたのです。

「あら、今日はまたいちだんと、消しゴムのカスがついてるわね。ゴー、いったいどうしたの?」
ピン子に言われて、ぼくはきのうの夜のことを、思いだしました。
「そうだった。きのうもケイタくん、家でだいすきなマンガを書いてたんだよね」
「マンガ? ケイちゃんて、そんな趣味があったの」
ピン子はすこし心配そうな目をしました。
「だったら、これからゴーは、どんどんほそくなっちゃうわねぇ。消しゴムのくせに、あたしみたいに、えんぴつそっくりだわ」
「しかたないよ。だって、ぼくは消しゴムだもん。それに、ケイタくんのマンガって、じつはすっごくカッコイイんだよ」
「じゃあ、ゴーが消えちまうまえに、あそぶとすっか、がっはは!」
「コラ、ジョーったら。えんぎのわるいこと、言わないで」
「おっと、わりぃわりぃ」

「で、ピン子とジョー、今日はなにしてあそぶ?」
「そうだなぁ」
くつばこにあつまったぼくたちは、今日のあそびはなににしようかと、頭をひねって考えました。
「そうだ!」
すると、ピン子がいいアイデアを思いついたようでした。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員