猫アンテナ狂想曲(11/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

  11 合わない照準

「猿神さん、外を捜しましょう。もしかしたらですが、チャッピーは、オレたちが何回か玄関を出入りした時に、ちょっとお外に出てみようと思ったのかもしれません」
「うん。だな」
「そして、それに気づかず、オレたちは玄関の扉を閉めた。それなら、家の周囲を捜せばすぐに見つかりますから」
「うん。だな」
「大丈夫です! 猿神さん」

オレは今まで、これほど人を励ましたいと思ったことは、なかった。
気がつけば、猿神さんの肩に手をかけ、揺さぶっていた。
「オレ、絶対! 絶対! チャッピーを見つけますから! この猫アンテナで!」

すぐに、気持ちを集中させた。
猿神さんのチャッピーへの想いを込めて。
アンテナよ、早く立ってくれ、そんな願いを込めて。

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朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。