絵本や童話は、書く枚数が少ないので、ラクそうなのですが

新コーナーが始まりました。絵本や童話を書くとき、コツがつかめなくて誰しもが壁にぶつかることがあります。創作のコツはどうすれば会得できるのでしょうか。ベテラン作家の正岡慧子先生に質問を投げかけ、それについてお答えいただきます。

Question
絵本や幼年向けの童話は、書く枚数が少ないので、ラクそうなのですが、この考えは間違っていますか?

Answer
本 黄色◆言葉が少なく平易だからといってお話作りが簡単なわけではありません
その考えは、間違っています!
言葉が少なく平易なのは、対象になる子どもたちにわかってもらいたいからで、お話作りが簡単なわけではありません。彼等に「喜びや好奇心や想像力を与える内容」をきちんと作品にしようとすれば、作家は読者対象にあわせて、言語的に、心理的に、環境的に、頭脳的に、添っていかなければなりません。
短く、彼等にわかる言語だけを用いて、彼等によく生きていくために必要な「何か」を作り出していくのは、容易なことではないと思います。大人の頭で普通に書いていく作品よりも、考えておかなければいけない条件がたくさんあるからです。

◆何でも動物におきかえればいいというわけではありません
童話作家は、まず小さな子どもの気持ちと言語をつかんでおかなくてはなりません。何でも動物におきかえればいいというわけではなく、お母さん目線で子どもがかわいいというだけのストーリーでもよくありません。
三世代読み継がれているような絵本、例えば『はらぺこあおむし』『ぐりとぐら』『おしいれのぼうけん』『どうぞのいす』『ピーターのいす』『100万回生きたねこ』『モチモチの木』『ひとまねこざる』などを読んで、何がテーマとしてかくされているのか、何がロングセラーの原因なのかを考えてみましょう。

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正岡慧子 について

正岡慧子(まさおか けいこ) 広島県に生まれる。広告代理店勤務を経て作家となる。専門分野は、絵本・童話・児童書、健康関連の実用書。主な作品は、『かばんの中のかば』(あかね書房)、『きつねのたなばたさま』(世界文化社)、『ぼく、まってるから』(フレーベル館)、『あなぐまのクリーニングやさん』『探偵犬スコットと仲間たち』 (PHP研究所)、『からだの知恵 食のひけつ』(講談社)、『家庭薬膳のススメ』(毎日新聞社)ほか。執筆のかたわら、読み聞かせ講座や高齢者のための読書活動を続けている。現在、一般社団法人 日本児童文芸家協会、(社)日本文藝家協会会員。