絵本画家になるには文章も書けた方がいい?

絵本や童話を書くとき、コツがつかめなくて誰しもが壁にぶつかることがあります。創作のコツはどうすれば会得できるのでしょうか。ベテラン作家の正岡慧子先生に質問を投げかけ、それについてお答えいただきます。

Question
絵本画家になるため勉強中ですが、画家も文章が書けるようになった方がいいですか?

Answer
◆絵自体にお話を伝える能力が必要◆
絵本作家になろうとしているならば、文章というよりは「お話を作る力」と「言葉と絵をつなぐ技術」の両方をもたなければならないと思います。しかし、絵本の絵を描くことに専念するならば、あえて文章もと思わなくていいのではないでしょうか。

ただし、絵本とは何かと言えば、絵で語るお話の本という意味ですから、絵自体にお話を伝える能力がなければなりません。言い換えれば、文章がなくてもストーリーが伝えられるような絵であることが望ましいということです。

とすれば、文字で書かれたことを、そのまま絵に置き換えるのではおもしろくないわけで、むしろ言葉になっていない部分を推察しながら、表現していくことが画家さんの醍醐味でしょう。
文章を書けるようになるよりは、文章やお話や言葉の土台になっている、「思い」や「空気感」のようなものを絵に転じることのほうが大切ではないでしょうか。

◆絵は言葉をサポートするのではなく、お話をいっそう際立たせるもの◆
本 空色すでに出版された絵本の中には、表情のないキャラクターが結構描かれています。文章は動いているのに、絵が止まっていることも多々あります。例えば、「電車が走る」というお話であれば、絵の電車も走っていてほしいですし、速度によっては、あるいは場所や時間によっては、電車の形や色は全く違うはず。
絵本の絵は平面的なイラストではありません。ただ言葉をサポートするのではなく、お話をいっそう際立たせるものですから、文章を書くよりはその世界を十二分に表現できる絵の能力を磨いた方がいいのではと、個人的には思います。

もちろん、絵を描いていて、どうしても自分で言葉をつけたいと思った場合は、ぜひトライして編集者にプレゼンテーションしてください。

1 / 11

正岡慧子 について

正岡慧子(まさおか けいこ) 広島県に生まれる。広告代理店勤務を経て作家となる。専門分野は、絵本・童話・児童書、健康関連の実用書。主な作品は、『かばんの中のかば』(あかね書房)、『きつねのたなばたさま』(世界文化社)、『ぼく、まってるから』(フレーベル館)、『あなぐまのクリーニングやさん』『探偵犬スコットと仲間たち』 (PHP研究所)、『からだの知恵 食のひけつ』(講談社)、『家庭薬膳のススメ』(毎日新聞社)ほか。執筆のかたわら、読み聞かせ講座や高齢者のための読書活動を続けている。現在、一般社団法人 日本児童文芸家協会、(社)日本文藝家協会会員。