おにぎりと神様(6/8)

「神様、さむいのですか?」
「そうじゃ。ここは北風がとても強くてな。そら、ほこらもこわれそうになっているところがあるんじゃ・・・」

ほこらがこわれると聞いて、おにぎり君は、それはたいへんだと、ゴロン、ゴロンと動いて、ほこらの北がわにころげていきました。
すると、風がおにぎり君の体にあたって、ほこらに風があたらなくなりました。
おにぎりと神様⑥
「おお! おお! 風が止まったぞ。止まったぞ。おまえのおかげで、止まったぞ!」
神様はおおよろこび。うれしくなっておどりだしました。
「やっほほ~い! やっほほ~い!」
役に立てたのでうれしくなったおにぎり君も、神様につられておどり出しました。
「ゴロロンロ~ン。ゴロロンロ ~ン」

すると、今までだまって いたドングリも、花のタネも、カキのタネたちも、楽しくなって歌いだしました。
「ゴロロンロ~ン、ゴロロンロ~ン」
神様はおどりながら、言いました。
「おまえ様、どうだろう? できればずっとそこにいて、風よけになってもらえまいか?」

おにぎり君は、おにぎりとしては、食べてもらうことができませんでしたが、神様のお役に立てることがあるなんて、ゆめにも思ってはいませんでした。
「もちろんです。もちろんです。いつまでも、ここにいましょう」
「おお! おお! こいつはいいな! こいつはいいな!」
神様はさらに、おどりながら歌いました。
「やっほほ~い! やっほほ~い! 楽しいなったら、楽しいな」

きゅりあ について

福岡県生まれ。仕事の合間に詩や物語を書いています。 童話は優しくてほっこりするようなものを目指していますが、 まだまだ、文章は勉強中です。 いつか、イラストも勉強して、自分の描いた絵で童話を作りたいです。 blog では、詩と物語を載せています。 良かったら遊びに来てください。 blog:パンラ国物語と詩集の欠片たち

柊京佳 について

(ひいらぎ きょうか) もの心ついた時からお絵描き大好き!たくさんの絵本に囲まれて子育てする中で、実際の生活の中にもある素晴らしい物語をいっぱい発見!2015年からブログやトークライブでそれをお伝えしています。 ブログ:はぴゆるの森屋 虫や山や木との不思議なやりとり書いてます。