ぜんぜん不思議じゃなかった3日間(7/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

いつの間に戯れるのをやめたのか、策作じいさんと白猫は向かい合っている。
白猫が座ると、じいさんもしゃがむ。
白猫は、なにか語りかけている。ように見える。

バックには、青い海と白い波。
水面高く低く行く、ウミネコ。
真っ青な空、BGMは波の音。

白と青の世界の中で、彼らは一人と一匹ではなくて、二人って感じがする。
しばらくすると、白猫はじいさんの膝に前足をかけた。
首を伸ばして、自分の鼻先を、じいさんの鼻にちょんっとくっつける。
そして、前足を膝から外し、じいさんに背を向けた。

「チョウコ」
じいさんに呼ばれ、白猫の足が止る。
「なーん」
「ほうか、行くか」
声をかけられても、白猫はふり返らない。
けれど、
「なーん」
と鳴いたその時に、きらんと瞳が輝いた。

泣いてるみたいだ。
と思ったとたん、白猫は、海に向かって走り出す。

波を蹴り、白い鳥のように空に昇っていって、やがて、見えなくなった。
それでも、策作じいさんは、見えなくなった白い点を追うように、空を見上げている。

朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。