ぼくたち エージェント!(1/4)

文・ひなた のんき  

エージェント1
まず、一つめのきけんは、このどうろだ。
いえからすこしあるくと、ビュンビュンくるまがとおる大きなどうろがあるのだ。
ここでは、てきにおそわれないために、気をつけることがある。

「いいか、エージェントつよし。あのしんごうが、あかのときは、うごいてはいけないのだ。てきのくるまが、おそってくるんだ」
「うん、にいちゃん」
「うん、にいちゃん、じゃない!りょうかいしました、だ!」
「りょうかいしました!」

ぼくは、エージェントつよしの手をしっかりにぎって、しんごうをじっとにらみつけた。
まだあかのままだ。まだ、まだ・・・。
よし、今だ!
「あおになった。ゆくぞ! てをまっすぐあげて、むねをはって わたるのだ」
「にいちゃん、あれは、みどりだよ」
「しんごうのときは、みどりのことを、あおっていうのだ。ひみつのことばだ。いいな?」
「うん・・・じゃない、りょうかいしました!」

ぼくは、しっかり手をあげて、みぎとひだりをよく見ながら、しんごうをわたった。
りっぱなエージェントは、しんごうがあおのときでも、ゆだんはしないのだ。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。