ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(3/6)

文・ひなたのんき  

「にいちゃん。サンタさん、いるのかな」
「うん・・・。よく、わかんなかったな」
その夜、ぼくたちは、おふとんに入ってからも、サンタさんのことを考えていた。
「こうなったら、サンタさんを、つかまえるしか、ないと思うんだ」
ぼくは、心の中できめていたことを、つよしに言った。
「つかまえるの? サンタさん?」
「そう。そしたら、ほんとにサンタさん、いるだろ? だって、つかまえてるんだから」
「そっかぁ。そうだよねぇ」
つよしが、うれしそうに言う。

エージェント3 上司「ようし。つよし、いいか。今回は、しれいかんが、てきだ」
「しれいかん、てきなの?」
「そうだ。しれいかんは、きっと、サンタさんをつかまえるなんて、ダメって言うと思うんだ。えいがでも、あるだろ? しれいかんが、てきのこと」

大きな机にすわって、エージェントにしれいを出す、えらい人が、じつはてきだったってことが、えいがでは、よくある。
「だから、しれいかんに、見つからないように、サンタさんをつかまえる。いいな?」
「うん!」

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。