ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(6/6)

文・ひなたのんき  

でも・・・じゃあ何で、雪、ふってないんだろう。
考えても、わからないや。でもぼくは、サンタさんを見た。だから・・・。
「づよじ。ザンダざん、いる」
ぼくは、せいいっぱい、つよしに伝えた。つよしが、ぱぁっと、えがおになった。
「いたの? やっぱり、サンタさんが、プレゼントくれたんだねぇ」
「ヴヴ~~」
それはちょっと、ちがうんだけど、今、ぼくは、しゃべれない。つよしにおしえるのは、明日とか、あさってでいいや、と思った。

エージェント3⑥ケーキ「にいちゃん。はやくげんきになって、またエージェント、しようねぇ」
つよしが、ニコニコしながら言う。
そうだ。エージェントは、かぜなんて、ひいてられないや。はやく、なおそうっと。

今日の夜には、クリスマスケーキも、食べられるはずだ。
夜中までがんばったエージェントには、おいしいごほうびが、まってるものなんだ。
つよしのかおが、ぼやけてきた。ぼくは、そのまま、ねむりにおちた。


Special Thanks to いらすとや

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。