ラーメン無料 早いもの勝ち(5/5)

ぼくは急いでラーメン屋に向かった。
またちがう犬がラーメンを食べていた。
「今日も負けたねえ」
と言って笑ったおじさんに、ぼくは首を振って言った。

「ちがうんです。おじさんにお願いがあるんです」
「なんだい?」
「朝のチラシくばり、ぼくにやらせてくれませんか」
おじさんはびっくりして聞いた。
「アルバイトかい?」
ぼくはまた首を振った。

「ただでいいです。早起きしてランニングしたいんです。だからちょうどいいと思って」
「そりゃあくばってもらうとありがたいけど。おじさんももう少し朝ねぼうしたいし。じゃあ、たのもうかな」
「ありがとう」
ぼくは頭を下げた。おじさんはどっさりとチラシを取り出した。
「これ明日の分だから。今日持って帰って、明日の朝くばっておくれ」

ぼくはチラシを受け取り、そして犬を見てにやりと笑ってやった。
ぼくはある作戦を考えていた。
チラシにこのバラのスプレーをふりかけてやるのだ。
そうすれば、犬は取るのをあきらめるにちがいない。

夏美 について

大阪出身。童話やミステリーが好きで、少年探偵団や少女探偵ナンシーで育ちました。自分もそんな感じの、子供がワクワクできるようなミステリーやサスペンスを書けたらいいなあと思っています。ようやく落ち着いてパソコンに向えるようになった主婦です。尊敬する人はグラン・マ・モーゼスです。