リンのはね(2/2)

文と絵・かなこ すぷらうと

リンの めが また あかく なりました。
「みんな ありがとう。あたたかくなったら、きっと また ここへ もどってくる。やくそくするよ」
リンは コスモスの はなびらを そっと ちぎりました。
そして いくつもの たばを つくって はねの あいだへ さしました。
リンS13_14
ぜんぶ さしおわると リンは いよいよ きの うえに のぼりました。
いろとりどりの はねを ひろげ ゆっくりと うごかします。
おちた ときの きずが  スキンズキンと いたみます。
リンは いたくて はねを とじてしまいました。
コスモスたちは しんぱいそうに みあげています。

かなこ すぷらうと について

埼玉県生まれ。社会人になった後、1年間暮らしたNewZealandでたくさんの自然に触れたことをきっかけに、絵を描くことを志す。帰国後は絵画教室に通い、児童デイサービスで働きながら絵本づくりやイラスト制作を続ける。空気の匂いや温度のある絵を描けるように勉強中。現在はアメリカ在住。 Twitter : kanacosprout